アベマキ Quercus variabilis Blume  (ブナ科 コナラ属
アベマキの樹皮割れ目を観察すると年輪状の縦筋がよく見える
 アベマキの樹皮はコルク層が発達し、著しくでこぼこになる。その様子から「あばたまき」と呼ばれたのがアベマキになったといわれ、標準和名は岡山地方の呼び名が採用されたものだとか。岡山ではクヌギは少なく、植栽されたものがほとんどと思われ、圧倒的にアベマキが多い。
 アベマキの樹皮はコルク層が発達し、ほとんど剥がれ落ちないので深い割れ目ができる。割れ目を観察すると、年輪のような縦の筋が見える。この筋はアベマキが1年間で生長させた樹皮の厚さである。樹皮は内側から作られ、外に押し出される形になるので、外側の方が古くいことになる。コルク層はクヌギでも見られるが、アベマキほどではない。明瞭な年輪状の層が容易に観察できる点はクヌギとの簡単な区別点である。

樹皮をはがした樹木の樹皮は黒い再生した樹皮
 アベマキには厚いコルク層ができるが、ワインの栓ができるほどの厚さ・丈夫さではないが、樹皮をいったん剥いで粉砕して再形成する粉コルクが生産された。現在でも稀に樹皮を剥がされたアベマキを見ることがある。上と下に幹を一周するように傷を付け、上と下の輪をつないで縦に切れ目を入れて一気に皮をはがして採取したらしい。一度樹皮をはがしたアベマキの樹皮は黒ずんでおり、若い頃の樹皮が無いので、再生した樹皮は平坦な所が多い。

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