ハ ス Nelumbo nucifera Gaertn. (ハス科 ハス属) |
ハスの葉は円形で直径30〜50cm。表面は水をはじき、露は玉となってコロコロと表面を転がる。葉の表面からガス交換を行っているはずであり、濡れない仕組みを備えている。葉柄の断面を見ると、大きな穴が通っている。この穴は地下茎へとつながっており、通気組織として機能している。 小雨が降る日にハス田を歩いていると、コポコポと何やら音がする。見るとハスの葉の中央にたまった水の中心から気泡が出ている。露のたまっていない葉に水を入れ、試してみると、最初は気泡はあまり発生しないが、やがてたくさんの気泡が勢い良く出てくるようになる。加えた水が酸素で飽和されると気泡が発生するようである。この気泡は、若くて元気の良い葉で出やすいように思われる。光合成により発生した酸素を放出しているのではないかと思われた。葉で発生した酸素は、葉柄のパイプを通して地下部に送られることが知られているが、そのような事象を水をためると簡単に観察することができ、面白い。 |