ニワウルシ(シンジュ) Ailanthus altissima (ニガキ科 ニワウルシ属
 ニワウルシは河川や小川などの堤防に生育していることが多い。水分を好むものと思われる。単木状に生育しているときにはそのまま高木となるが、伐採されると近隣の場所に多数のシュートを形成する。毎年刈り取られても残りの期間で高さ数mにまで生長する。石垣の間などからも幹を出しており、場所によっては一面にニワウルシが生育して群落を形成している場所もある。地下には地上部と同じ太さの根が横に広がっており、これから再生してくるものと思われる。1本立ちしている木の根から地上茎がでてくることはないが、一度地上部が伐採されると、多数の茎が出てくる性質は、アカメガシワやヌルデ、タラノキ、ハリエンジュ、メラノキシロンアカシアなどにも見られ、結構多くの樹木が備えている能力である。

 近年、ニワウルシが河原に生育し始め、問題となりつつある。ダムの建設などによって大規模な増水が発生することが少なくなり、河原が安定して微粒の土壌が堆積しているためではあるが、ニワウルシが河原に侵入すると短期間で大きな樹林に生長してしまい、洪水の際には水の流れを遮ることになってしまう。やっかいな樹木が河原に侵入し始めたものである。
用水路脇のニワウルシ群落(毎年刈り取られている)河原に侵入したニワウルシの群落:樹高5m以上;おそらく4〜5歳)
旭川の土手に生育するニワウルシ:毎年刈り取られている(5/25)毎年刈り取られているが、春にはすでにこの状況

1.ニワウルシ 2. 3.果実 4.根からの再生
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