ヤブツバキ Camellia japonica L. (ツバキ科 ツバキ属
 ヤブツバキの果実は大きく、直径4〜5cmある。果皮は厚く、熟すと3つに裂開して中から大きな種子がのぞく。中に包まれている種子も3つであることが多い。種子の中には油が含まれており、椿油をとる。椿油は古くから整髪用の油や食用・灯用油、さび止め、木製品の艶だしなどに使われてきた。伊豆七島や四国・九州の太平洋海岸地域などが有名であり、椿油を採取するためにヤブツバキの純林が仕立てられてきた。石油のない時代、油は貴重品であった。日本では菜種などの油用植物から油を採ることが多かったが、畑として開墾しにくい山地における油用植物としては貴重な存在であったであろう。
 果実が直径5〜6cmあり、種子も5つ前後含むものをリンゴツバキ(C. japonica var. macrocarpa)という。


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