タンナサワフタギ Symplocos coreana (ハイノキ科 ハイノキ属
 タンナサワフタギは本州関東以西から九州、朝鮮に分布する落葉低木。ブナ林や二次林(夏緑林に多い)の林床や谷沿いなどに生育する。樹高は数mほどになり、サワフタギよりも大きくなる印象があるが、林床に生いることも多い。葉はやや硬く、鋸歯は鋭くて明瞭であるが、鋸歯があまり鋭くないものもあり、時としてサワフタギと区別しにくいことがある。6月頃に枝先に白い花を房状に付ける。果実の形はゆがんでおり、黒紫色に熟す。
 タンナサワフタギの和名は朝鮮のサワフタギであるとの意味であると牧野植物図鑑に書いてある。確かに学名の種小名は coreana であり、サワフタギは中国の、タンナサワフタギは朝鮮のサワフタギということになる。広辞苑で調べるとタンナとは手綱などの意味しか出てこない。何が朝鮮を意味するのかまた調べてみよう。

タンナは朝鮮?:調べあぐねて朝鮮に詳しい亀田先生にお伺いしたところ、朝鮮半島の南にある済州島の古名が耽羅(たんら)であるとのこと。タンラは朝鮮語の発音では、タンナとよく似ているとのことで、どうやらタンナサワフタギは済州島サワフタギの意味らしい。これで一件落着。

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