ヒアシンス Hyacinthus orientalis (キジカクシ科 ヒアシンス属) |
ヒアシンスは地中海南東部原産の多年草。属名はギリシャ神話に出てくる少年の名前であるという。16世紀以降にオランダで改良され、多数の品種が作出されている。球根を専用のビンで水耕栽培した経験を持たれている方も多いであろう。 ヒアシンスは昼よりも夜の時間が長い短日条件で花芽を形成し、原産地では3月頃に開花する。長日条件では花茎の形成が中断され、球根が肥大し始めてしまう。芽を出したものの、日長が長日条件であると夏であると勘違いしてしまい、花を咲かせるのを中止し、球根を肥らせてしまう。したがって、水耕栽培を行うときには、当分の間電灯の光が当たる室内を避け、自然の状態に置くか光の当たらない暗い場所に置いて栽培する必要がある。 ヒヤシンス、チューリップ、スイセン、キバナサフラン(クロッカス)・・・秋植えの球根類は地中海地域から西アジア地域を原産とするものが多い。これらの種はオランダで改良され、広く栽培されるようになった。地中海地方の温暖な冬から早春の気候に適応した種である。 |