イネ Oryza sativaイネ科 イネ属)



 イネは日本人の主食であり、熱帯アジアのに起源を持つと言われている。栽培されて改良されてきただけに様々な品種がある。大きくは「形が細くて粘りが少なく、焼きめしなどに適している」インド型(インディカ米)と通常我々が食べている日本型(ジャポニカ米)とに区別されるが、中間的な品種もあるという。
 イネは風媒花であり、風によって花粉が媒介される仲間であるが、現実は自家受粉であり、開花と同時に自らの花粉で受粉する。したがって、近隣に異なる品種を栽培してもほとんど交雑することはない。このためにモチ米とウルチ米を隣り合わせて栽培できるわけである。もしも花粉が遠くまで飛ぶのならば、同じ水田に稔る米が様々な性質を持っており、均質な種モミをえることもできないことになる。このような自家受粉の性質であるため、次年度の種モミを自家生産できる。
イネイネ
イネ
水面に落ちた雄しべの葯

イネイネ

 水田は、穀物生産の場であると同時に、多様な動植物の生息・生育の場として重要な生態系の1つである。夏には水が湛えられ、沼地となる。イネの収穫が終わった後は、場所によっては沼地状のままであったり、畑のようであったりと多様な立地となっていたが、最近では構造改善がすすみ、どこもかしこも水が抜かれて畑にできる状況になっている。これでは水田に住み着いてきた動物はすみかがなくなってしまう。どこかに湿田も残して欲しいと思うのは、農家の苦労を知らないからであろうか。

○イネの雑学



種名一覧にもどる / 科名一覧にもどる / 雑学目次にもどる / HPにもどる