毛無山の植生 山頂付近の植生
 山頂直下のブナ林では、大きなギャップの下でクロモジが繁茂していた。生育していたブナが枯れたか、倒れたのではないかと思う。雪崩の少ない場所では、低木が繁茂する。しかし、ブナの稚樹は見られず、ブナ林の再生は容易ではないようである。
 山を調査しながら歩くと、山頂に立つことの感激を失ってしまった。今回も山頂の写真がない。
 遠くから山頂を眺めると、ブナ林が急にとぎれてしまっている。山頂部分を伐採したのではないか? と思えるような、不連続性である。
 山頂直下には、ヒノキが生育している。自然分布ではなく、植栽したものである。根本付近は20cmほどになっているが、高さは5mほどしかない。
 1000mを越える地域でも、過去に植林がおこなれた場所がある。どこでも植栽した樹木の生長は不良であり、とても材木が生産できるような代物ではない。結果から見れば全く無駄な試みであった。こんな場所は自然のままで残して楽しみたい。