クスノキ Cinnamomum camphora (L.) Sieb. (クスノキ科 ニッケイ属
 クスノキの葉脈は、主脈と元の方から分かれた2本の側脈が明瞭であり、三行脈と呼ばれる。側脈との分かれ目にあるふくらみは、ダニ室である(注2)。葉の裏面は白緑色であるが、これはワックスの粉が密布されているためであり、ライターで加熱すると溶けて緑色になる。葉は新葉の展開時に一斉に交代させるので、常緑樹とはいっても葉の寿命は1年しかない。したがって葉の量は少なく、クスノキの林は常緑の中では最も明るい。都会の中では暗くなり過ぎず、公園などでは好まれる植栽木の1つとなっている。

【注2】ダニ室:クスノキの葉は中心の葉脈と下の方で分かれた2本の側脈が良く発達する。この分岐点には小さな膨らみがあり、ダニの一種が住み込んでいることが多い。ダニ部屋は極小さく、注意してみなければわかりにくい。ダニとはいってもクスノキを専門とするダニであり、心配には及ばない。樟脳という防虫剤を含んだ葉に、これがないとやっていけないダニが棲み付くのである。
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