ヤマナラシ Populus sieboldii (ヤナギ科 ハコヤナギ属)
ヤマナラシは日本全国に分布する落葉の高木。属名はPopulus であり、日本のポプラである。ヤナギの仲間であり、雄花はまるでネコヤナギの花のようである。綿毛を持った小さな種子を形成し、風に乗せて種子を散布する。種子は非常に小さいので、競争相手のいない裸地でなければ侵入できない。生長は旺盛で、急速に大きくなるが、カミキリムシなどの被害を受けやすく、寿命は短い。生長の旺盛な若い幹は灰緑色であるが次第に黒色となり、小さく割れた樹肌となる(樹肌画像の左から右へ)。
ポプラの仲間は長い葉柄を持っており、風が吹くと葉がパタパタとたなびいて音を出す。これが和名の「山鳴らし」となっている。そよ風でも葉はひらひらと揺れ動き、はためく音がする。別名はハコヤナギ(箱柳)であり、この材で箱を作ったことによる。材は柔らかく、加工しやすいので箱などの細工物やマッチの軸などに使われた。