ヤマナラシ Populus sieboldii (ヤナギ科 ハコヤナギ属)
新築された20号館前の植え込みにヤマナラシが芽生えた。植え込んだサツキなどが十分に地表を覆う前の段階で侵入したわけである。まるでポプラを植え込んだかの状況になった。5年ほどで画像の高さに生長し、1年で3mほど伸びている。このヤマナラシに毎年毛虫が大発生する。セグロシャチホコ Clostera anastomosis orientalis という、蛾の一種だとのことである。6月のはじめ頃に幼虫は目立つようになり、ヤマナラシの葉はどんどん食べられていく。結局、全ての葉は葉柄と主な葉脈だけになってしまい、毛虫は食べるものがなくなってしまう。シャチホコガの幼虫は幹から枝を右往左往しているが、やがて大挙して移動し始め、近くにおいてあるベンチや建物の壁面が毛虫だらけになってしまう。この近くにはヤマナラシなどのヤナギ科植物は生育していないので、全滅してしまうのかもしれない。
食べられて全ての葉を失ってしまったヤマナラシは、7月には新しい葉を出して何食わぬ顔で秋を迎えるが、毎年ほとんど花を付けていない。花芽を作る時期に新芽を出すからであろう。