カンサイタンポポ Taraxacum japonicum Koidz  (キク科 タンポポ属
 カンサイタンポポの生育地は、毎年定期的に刈り取られる場所である。田圃や畑の畦道、ため池の土手、農業用水路の土手などでは、よく見ることができる。ソメイヨシノの下で咲くカンサイタンポポは、まさに春爛漫である。秋に夏眠から目覚め、ロゼット葉を形成する。したがって、刈り取られて刈り草が除去されるとカンサイタンポポの生育地になる。とはいっても同じように草刈りが行われる一級河川の堤防には生育していることが少なく、刈り取り時期が異なるからであると思われる。タンポポは、日本の農業歴によく適応したライフサイクルをもっているといえよう。
 カンサイタンポポの生育地の土壌は有機物を含んでおり、pHは弱酸性で、土としては良好なものであることが多い。しかし、カンサイタンポポそのものはアスファルトの割れ目などの荒れ地にも生育することは可能である。踏まれることは、どうも苦手のようで、このような点も帰化タンポポとの生育地の違いとなっているように思われる。

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