カンサイタンポポ Taraxacum japonicum Koidz  キク科 タンポポ属



  カンサイタンポポは漢字で関西蒲公英と書きます。日本在来の黄花のタンポポのうち、本州の長野県以西、関西に普通にあって、四国・九州・琉球に及びます。タンポポは人が大好きです。写真からわかるように、在来種であるカンサイタンポポは、特に田園地帯や市街地でも自然の残っている場所に生育しています。タンポポは背が低く、かよわいので、周りに草が生い茂ったりすると光を十分に分けてもらうことができません。だから、人間が耕作や草刈りをしてやると喜んで生えてきます。


 多年草であり、タンポポの仲間では頭花の小さい方です。頭花は2〜5月頃に開き、径2〜3pになります。帰化タンポポの花は大きくて華やかなのに対し、カンサイタンポポの花は控えめでかわいらしい花を咲かせます。控えめな日本人にぴったりな花だと思いませんか?



 総苞外片は披針形で、内片の2分の1に達せず圧着して開出しません。帰化タンポポは開出して反り返るので、よい目印になります。先にはごく小さい小角突起があるか、またはありません。そう果の主体は長さ長さ3,5〜4oで淡黄褐色です。染色体数は2n=16で、両性生殖を行い、2〜5月頃に花を咲かせます。5月を過ぎると他の草本がどんどん生長し大きくなるため、背の低いタンポポはおやすみ期間に入ります(休眠)。そして秋にはめざめて、春に花を咲かせる準備をしながら冬を越すのです。

(1999/05/28 文:寺下史恵 写真:波田善夫)

1.カンサイタンポポ 2.続き 3. 4.果実 5.生育地 6.冬のカンサイタンポポ 7.テラバージョン

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