ツ タ Parthenocissus tricuspidata (ブドウ科 ツタ属) |
ツタはナツヅタともいい、夏緑性のツル植物である。北海道から南西諸島に分布し、朝鮮・中国にも分布する。森林の林床などで生育する個体は3葉に分かれている事が多い。大きく生長すると1枚の葉となる。新しくのびたシュートでは葉の大きさは数cmに過ぎないが、古い茎から出る葉は10cmにも及ぶ大きさとなる。 ツタは芽生えた当初は3つの小葉からなる葉を形成する。林内で光を求めて匍匐している状態では、多くの個体がこのような3つに分かれた葉を持っている。十分な光を得ることができるようになった段階、あるいは大きく成長したものでは、最初の写真のような葉となる。販売されているツタの苗は、小さくても小葉に分かれないタイプのものである。次年度以降の茎では毎年ほぼ同じ場所から葉が出て、シュートは伸ばさない。枝の節がつまった「短枝」を形成し、ここに花をつける。 目立たない花が咲き、紫紺色の小さな果実ができる。イメージとしては小さなブドウである。おいしそうなイメージがあるが、実に渋い。人間には食べられたものではないが、鳥は好むのであろう。名前の由来は「つたう」であるという。 |