アカエゾマツ  Picea glehnii (Fr. Schm.) Masters    (マツ科 トウヒ属
 アカエゾマツの葉は、風衝地や湿原の中で矮小化している場合は、ずんぐりとして短くてやや太くなる。色もやや黄色味がかっていることがあり、普通のものとやや印象が異なって見える。高層湿原の周辺にアカエゾマツ林が見られる場合は、湿原の中央部に向かって急速に樹高が低くなり、典型的な湿原植生となるとアカエゾマツは見られなくなる。
 湿原の中では、樹高は低くても、それなりの樹齢はあるのだろうか。枯れ戻りを繰り返しながら、耐え忍んで生きているのがうかがえる。こういった個体がどのようにして定着したのかは興味深い。
 風が強い立地では、季節風の風下に向かって枝がなびき、主幹も傾いた「旗竿樹形」となっているものが見られることがあり、風雪が激しいことを物語っている。
文章・画像:太田 謙
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