クロマツ Pinus thunbergii (マツ科 マツ属)
【クロマツの樹形】
クロマツは枝の強度に比べ、葉量が多いので樹形としては枝が垂れ下がる形になりやすく、日本画などに描かれてきたマツの姿となりやすい。海岸地域では幹が風下側に傾き、枝も風になびいた旗竿樹形となる。このような樹形を庭園に取り入れたのが門かぶりの松などであろう。このような葉量の多さは積雪害の原因の一つとなっており、湿った雪が降る時には枝や幹が折れやすい。金沢の兼六園では冬の風物詩として「松の雪釣り」が行われているが、日本海側では雪の被害が大きいであろう。雪の多い地方では、クロマツの代わりにアカマツを庭園木として植栽する傾向がある。