ヌルデ Rhus javanica L. var. roxburghii (DC.) Rehder et Wils. (ウルシ科 ウルシ属
 ヌルデの雌花序は花が終わるとすぐに赤くなる。子房がこんなに早く!と思うほど、早く膨らんでくる。やがて果実は直径3mmほどの扁平な球形となる。秋になると果実の下から乳白色の物質が分泌され、頭の部分だけが顔を出した形になる。この物質はワックスであると思っていたが、リンゴ酸カルシウムとのこと。リンゴ酸カルシウムは、吸収されやすいカルシウムとして、食品添加物などとして利用されている。ヌルデの果実は鳥が好むとのことで、カルシウム摂取のために、鳥が食べに来るのかもしれない。果実が若い段階からリンゴ酸カルシウムを多量に分泌しているが、これはどのように考えたらよいのであろうか。昆虫などにサービスしているとは考えにくい。若い段階でも、種子は発芽可能な段階にまで成熟しているのかもしれないと考えてみたが、定かではない。
 リンゴ酸カルシウムが目立つのは一時のことで、やがて目立たなくなって、果実は褐色に熟す。なめられてしまうためであろうか。リンゴ酸カルシウムそのものは、水に溶けるはずで、雨に流されてしまうためかもしれない。しかし、冬でも果実は触るとヌルヌルし、塩辛いので、表面には残っていることになる。鳥はそのような果実を食べに来訪し、種子が散布されることになる。
 (2005,10,28:このきなんのき掲示板の情報から、改訂)
花が終わった直後の雌果序若い果実の表面には赤い毛がある
リンゴ酸カルシウムを分泌した若い果実鳥さんに食べて欲しいと待っているヌルデ

1.ヌルデ 2. 3. 4.果実 5.冬芽 6.樹皮 7.根発芽 8.虫こぶ 9.仲間の区別点

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