アカメガシワ Mallotus japonicus (Thunb.) Muell. Arg.  (トウダイグサ科 アカメガシワ属
 アカメガシワは根から発芽し、新たなシュートを形成することができる。伐採すると小さなシュートが多数形成され、個体数は急増してしまう。石垣の間などからも芽をだして増殖することもできる。
伐採で再生したアカメガシワ左の場所に群生する当年生のシュート群
 上の2枚の画像は、理科大東門付近のアカメガシワである。建物脇の路肩に数本のアカメガシワが生育しているが、元々は1本であり、それが伐採された結果、たくさんの個体が再生し、そのうちの数本が残されたものである。その下には、毎年刈り取られる小さなアカメガシワのシュートが密生している。刈り取れば刈り取るほど、個体数が増加している。

 下左側の写真は干拓地の堤防に生育していたアカメガシワである。コンクリートの隙間に芽生え、それ以降に発達させた根の各所から地上幹を出して生育している。良くもこのような小さな穴を探し出したこと! と言いたくなるほどの小さなコンクリートの穴や石垣の隙間から茎を発達させている様は驚異といえよう。
防波堤の隙間に生育するアカメガシワ崖に倒れ込みながら生育するアカメガシワ

 種子により定着したアカメガシワの親株は立派な直根を発達させており、根を四方八方に張り巡らしている。しかし、根から再生した個体には直根の発達がほとんど見られない。元々直線的に発達した親株の根の途中から再生したのであるから、根が2方向にしか発達していないのである。このために地上部が大きく生長すると、光の当たる方向に倒れてしまう個体が多い。学生時代、崖の調査をするときには、アカメガシワを当てにしてはいけないと教わったことがある。抜けやすいからということなのであるが、根から再生した個体は確かに抜けやすいので、要注意である。
 上右の写真も理大校内のアカメガシワである。恐らく根から再生した個体であり、直根が発達していないので急な斜面に自立することができず、いったん倒れ込んだ後、起きあがって安定している。2点支持では安定できないので、幹の下部部で肘を付いたようにして3点支持としているのである。

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