アブラナ科 Cruciferae



 アブラナ科の基本数は4であり、花弁数は4である。花の姿が十字状であるのでキリスト教の十字架を連想させ、キリスト教圏では意味のある仲間である(属の学名は十字:クルスの意味)。北半球に多く、特に地中海沿岸地帯から西アジアにかけて多くの種が分布している。多くの種が秋に芽生え、冬はロゼットで過ごし、春に開花する。このようなライフサイクルは地中海地方の夏期の乾燥と冬季の温暖多雨という気候条件に適応したものである。
 作物として品種改良されたものも多く、ダイコン・カブ・アブラナ・ミズナ・コマツナ・タイサイ・ハクサイ・カラシナ・キャベツ・ハナヤサイ(カリフラワー・ブロッコリー)・メキャベツ・コールラビー・ハボタンなどがある。ワサビもこの仲間であり、肉料理に添えられるクレソン(オランダガラシ)もアブラナ科である。このように見ると、現在野菜として食べているもののほとんどと言っていい物が地中海域からの渡来作物であることになる。昔は何を食べていたのであろうか?

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ヤマハタザオ属
スズシロソウ Arabis flagellosa
 
ヤマハタザオ Arabis hirsuta
 

ヤマガラシ属
ハルザキヤマガラシ Barbarea vulgaris
 

コマツナ
Brassica cempestris
セイヨウカラシナ
Brassica juncea
ハボタン
Brassica oleracea
var. capitata 
キャベツ
Brassica oleracea
var. capitata 
ムラサキキャベツ
Brassica oleracea
var. capitata
ブロッコリー
Brassica oleracea
var. italica
ハクサイ
Brassica rapa
カブ
Brassica rapa
var. glabra
カンザキハナナ
Brassica sp.
ミズナ(キョウナ)
Brassica rapa
var. lancinifolia
ミブナ
Brassica rapa
var. lancinifolia


ナズナ
Capsella bursa-pastoris

タネツケバナ
Cardamine flexuosa
コンロンソウ
Cardamine leucantha

イヌナズナ属
ナンブイヌナズナ  Draba japonica
 
イヌナズナ Draba nemorosa
 

マメグンバイナズナ属
カラクサガラシ Lepidium didynum
 
マメグンバイナズナ Lepidium virginicum
 

ニワナズナ(アリッサム)
Lobularia maritima

ルナリア属
ルナリア Lunaria annua
 

オランダガラシ
Nasturtium officinale

ショカツサイ(ハナダイコン)
Orychophragmus violaceus 

ダイコン
Raphanus sativus
var. hortensis
ショウゴインダイコン
Raphanus sativus
var. hortensis
ハマダイコン
Raphanus sativus
var. raphanistroides

イヌガラシ属
コイヌガラシ Rorippa cantoniensis
 
イヌガラシ Rorippa indicaa
 
スカシタゴボウ Rorippa islandica
 

キバナハタザオ属
カキネガラシ Sisymbrium officinale
 

ハタザオ属
ハタザオ Turritis glabra
 

ワサビ属
ワサビ Wasabia japonica
 
ユリワサビ Wasabia tenuis

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